株式会社Gachaco(ガチャコ)設立!バイク用バッテリー交換の新会社
2019年から、日本の4大二輪OEMであるホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハは、交換可能な電気自動車用バッテリーと関連技術の共同開発に取り組んできたことはご存知でしょうか?
この計画は水面下で着実に進んでおり、その後の2020年9月には、初の電池交換実験が開始され、2021年3月に全社でそれぞれ販売する予定の電動モビリティにおいて、同一のEV規格にすることで交換可能なバッテリーを利用することが出来る取り決めに合意。いよいよ次世代電動モビリティの次なるステップが始まったと話題になったのは記憶に新しいことだと思います。
この規格への合意は電子機器の充電プラグの標準化と同様、顧客の利便性を大幅に向上させるものであり、2021年11月、ホンダは新型「モバイルパワーパックe:」を発表しましたが、バッテリー交換基準を満たした最初のユニットだったので、大きな話題になりました。
そして2022年4月1日、この4大二輪OEMにENEOSを加えた5社で株式会社Gachaco(ガチャコ)を設立したとの情報をキャッチしました!今回の記事ではその詳細について紹介していきます。
目次
株式会社Gachaco(ガチャコ)って何の会社?
株式会社Gachaco(ガチャコ)は、電動モビリティの普及という共通の目標を有する5社が連携し、電動二輪車用の共通仕様バッテリーのシェアリングサービスを提供することを目的として設立されました。
本来、4大二輪OEMであるホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハで進められてきたバッテリー交換の共通事業ですが、なぜENEOSが加わったかと言うと、ENEOSもまた電動モビリティをはじめとするバッテリー循環利用の仕組み「BaaS(Battery as a Service)プラットフォーム」構築を通じて、電動モビリティの普及の課題である「長時間充電の面倒さ」、「外出時のバッテリー充電切れへの懸念」を、エネルギー供給事業者という立場から解決し、循環型社会の実現に貢献することを目指しているからです。
電気自動車のバッテリー交換事業に取り組んでいるAmpleと業務提携を結んでいることも関係していることでしょう。
詳しくは以下の記事からご確認ください。
株式会社Gachaco(ガチャコ)はこの5社で協力してバッテリー交換事業を進めていくことで、電動モビリティを利用するすべての人に、充電切れの心配がなく、安全・安心に使っていただけるバッテリーの給電ネットワークをインフラとして構築することを目指し、脱炭素・循環型社会の実現に貢献するとのことです。
具体的にはいつから始動?
Gachacoは、2022年秋を目途に、まず電動二輪車の共通仕様に適合したバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」(以下モバイルパワーパック)のシェアリングサービスを東京などの大都市圏から開始することを予定しています。
バッテリー交換ステーションである「Honda Mobile Power Pack Exchanger e:」は、駅前などの利便性の高い場所や、ENEOSのサービスステーションなどへの設置が予定されています。
また別途記事でも詳しく紹介しますが、ホンダのモバイルパワーパックが全社の共通のバッテリーとなるようで、今後ホンダから新しい規格のバッテリーが出る可能性はあっても、他の3社から別のバッテリーが出ることは可能性としてはかなり低いということで、このモバイルパワーパックについて少し触れたいと思います。
モバイルパワーパックの性能
モバイルパワーパックは大きくわけて3つの特徴を持っています。
タフで頑丈な構造
モビリティ製品への搭載を前提に開発されたバッテリーなので、振動や衝撃、水や熱、そして電磁波など、日常生活で考え得る外的要因にしっかり対応しています。海外進出は未定ではあるものの、一応各国の法規に適合し認証も取得しているようです。
運びやすいサイズと重さ
1個の重さは約10kg程度で、持ちやすいハンドル形状と絶妙な重心設定で無理なく運べ交換できます。高密度設計によりコンパクトサイズを実現しているので、最新の性能はそのままに、小さく軽く仕上がっています。
AIを持っている
複数のICを内蔵したバッテリーマネジメントユニットを搭載しているので、異常が生じた際、入出力の制御を自分で行うだけでなく、異常が生じた時刻や搭載機器の状況などをメモリに記録して、充電時に外部機器に送信することで、データを活かしたさまざまなサービスの提供も可能となっています。
まとめ
株式会社Gachaco(ガチャコ)について今回は詳しく紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか?
電気自動車が脚光を浴びる世の中になってきましたが、ガソリン車を廃止するなら当然バイクも電動モビリティを開発しなければなりませんし、車体が小さいことも関係してなかなか航続距離が伸びなかったところに着目し、交換という選択肢を提示したのは非常に明るい話題であると思います。
まだまだ電気自動車と比べると、発展の可能性がある電動モビリティのバッテリー事業ですが、今後もさらに注目していきたいところですね。