電気自動車(EV)の充電スタンドの全てを徹底解説!

2016年に発行されたパリ協定に基づいて、世界的な動きとなっている温室効果ガス排出削減の取り組みに向けていよいよ日本も本格的に動き出します。

2020年の10月に行われた臨時国会で菅義偉内閣総理大臣が「2050年カーボンニュートラル」を宣言。2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにするという目標を設定し、これまでは2030年までに電気自動車を含む電動車両の占める割合を50~70%程度とするという目標だったのが、2030年代半ばまでには100%とするというガソリン車からの完全脱却を掲げたのです。

2019年の国内新車販売台数のうちEVはプラグインハイブリッド車(PHEV)と燃料電池車(FCV)と合わせてもたったの1%しかありません。国民の需要とは裏腹に今後の車業界は急速にEV販売が加速していく流れになっていくことでしょう。

そこで今回の記事では、EV車を購入した際に困らないように電気自動車の充電スタンドについて、その種類や給電方法について詳しく紹介していこうと思います。

充電スタンドとは

まず充電スタンドというものが電気自動車の充電を行うためのものであるということを知っていても、それをじっくりと観察したことがある方はいないのではないでしょうか?

高速道路のサービスエリアやイオンなどの商業施設の駐車場の一角、道の駅などに設置されていることが多く、別名として充電ステーション、充電スポット、チャージングステーションなどと呼ばれています。

以前までは無料でこの充電スタンドを利用することが出来ていましたが、EVやPHVの台数増加や充電設備の普及に伴って有料化し、現在では全国に少なくとも25,000箇所以上の充電スタンドが存在していると言われています。

充電スタンドの種類

電気自動車の充電スタンドには大きく分けて普通充電に2種類と急速充電の合計で3種類あります。

普通充電スタンド(充電ケーブルあり)

一般的に野外に設置してある充電スタンドの主流はこちらとなっています。充電スタンド自体に200Vのケーブルが設置してあり、車種に関係なく利用することが出来ます。ガソリン車で言うとレギュラーといったところでしょうか。

ある程度の急速充電にも向いており、一般的には2時間程度の充電で約40kmほど走行することが出来ますが、高速道路のサービスエリアなどの短時間で長距離を移動する際の充電には向いておらず、長時間駐車することを前提とした住宅や職場などや時間貸しの駐車場、宿泊施設などで利用されることが多いです。

普通充電スタンド(コンセント型)

上記の充電スタンドに専用のケーブルがついておらず、電気自動車購入時に搭載されている車種ごとの充電ケーブルをコンセントに繋いで利用するものとなっています。最近は比較的にどのコンセントの形状にも対応出来るようにはなってはきていますが、場所によっては旧型のものとなっているところもあり、車種が限定される場合があるので注意が必要です。

急速充電にはまったく向いておらず、車種にもよりますが200Vの2時間程度の充電で20km程度しか走行出来ません。普段使いや充電容量に余裕のある場合はとくに気にする必要はありませんが、出先で充電が底をつきそうな時にこの充電スタンドを利用するのはあまりオススメとは言えません。

急速充電スタンド

最大出力が500Vと非常に高く設定されており、電源は3相200Vを使用しています。充電ケーブルはかなり重くガソリンスタンドの給油ケーブルや上述している普通充電スタンドで使用しているケーブルのように女性でも片手で楽々と持てるような軽さではありません。ただ、文字通り電気自動車のウィークポイントと言える給電時間を大幅にカット出来ます。

たった5分ほどの充電でおよそ40km程度走行出来るので、高速道路のサービスエリアに設置してあるものの大半はこちらのタイプとなっています。現在設置してある全国の充電スタンドが全てこれであればEVの普及も進むでしょうが、設置に非常に高額なコストが掛かり、10万円程度で設置出来る家庭用の充電スタンドと比べておよそ35倍の350万円ほどの費用が掛かります。

紹介した3つの充電スタンドの他にもコスト面を考えて急速充電と単走200Vのちょうど中間程度のスペックとなる中速充電スタンドの開発も進められています。まだ種類は少ないですがこれが一般的に普及していけば、普段使いでもストレスなく電気自動車を利用出来るようになっていくのではないでしょうか。

充電方法を紹介

次に充電スタンドを利用して、電気自動車に給電するまでの手順を紹介します。ガソリンスタンドでは現在ではセルフが一般的になっていますが、一昔前まではスタッフが給油することが当たり前でした。

電気自動車の場合、最初からセルフが一般的で給電のやり方を知らなければ走行することさえ出来ません。ガソリン車と違って充電機会は多くなるのでその方法や手順をしっかりと熟知しておく必要があります。

  • 1.充電ポートを開ける
  • 充電スタンドが設置してある駐車場に所有する電気自動車を駐車し、エンジンが停止していることを確認して、運転席の右下にある充電スタンドのマークのついたスイッチを押します。

    ガソリン車の給油口開閉レバーと同様の位置にあることが多いですが、これに関しては明確な規定がされていないので、車種によって大幅に異なる場合があります。日産のリーフの場合はスイッチとなっていますが、レバーを引き上げるタイプのものもあります。

  • 2.充電ポートキャップを開ける
  • 充電口を開けたら車の外に出て、使用する充電ポートのキャップを開けます。充電ポート自体が車のフロント部分に付いているものやガソリン車同様にサイドに付いているものがあり、充電スタンドに付属のケーブルなどは長さが決まっているので、駐車の仕方には注意しましょう。

    使用する充電ポートのキャップは普通充電用と急速充電用と2種類あります。充電スタンドの充電口を確認して、適切な充電口に差し込みます。充電のコネクト部分に違いがあるので差し込み部分を見ればひと目でわかるようになっています。

    ガチャッという音がしてロックが掛かると充電が自動で開始されます。ガソリン車と違ってレバーを握っておく必要はありません。

  • 3.充電口を閉める
  • 充電が完了したらロックが解除されるので、充電ケーブルを外します。充電ポートのキャップを確実に閉めてから、ガソリン車と同様に手で軽く押して充電ポート自体を閉めます。

上記がどの車種でも対応可能な一般的な充電の手順となります。普通充電はもちろん、急速充電であってもガソリン車よりも時間が掛かるので、充電中は車の近くにいなくてもロックさえ掛けておけば問題ありません。

ただ、充電が完了しているのにそのまま放置しているのはマナー違反となります。充電が終わったら次の利用者のことを考えてすみやかに充電スタンドから発進するようにしてください。

充電スタンドの利用料金は?

個人で利用する場合、充電サービス会社や自動車メーカーなどが発行している充電スタンドのカード会員に所属するのが一般的となっています。電気自動車を購入する際にメーカーからそういった類の話をされるので、必ず会員になっておきましょう。

充電サービス会社の場合、自動車メーカーが発行するものよりも割高となっているものが大半で、基本的には電気自動車を購入したメーカーでカード会員になるのがお得となっています。

日本充電サービスのNCSカードの場合、急速充電用・普通充電用・併用と3種類のプランがあり、それぞれに数千円程度の月会費に加えて充電を行う毎に都度料金も発生します。急速充電の場合は1分で15円。普通充電の場合は1分で2.5円と下手をすればガソリン車よりも燃料費が掛かる可能性もあります。

日産自動車の場合、急速充電の利用料金が無料になるプランや普通充電が無料になるプランなどを月会費も格安で利用出来るのです。メーカーによって異なるので一概にどれが良いというのは利用者の頻度によっても変わってきますが、月会費に加えて都度料金も取られる充電サービス会社よりもお得なのは一目瞭然です。

こういった会員カードを持っていない方でも、クレジットカードや道の駅などでは現金でも支払いが出来るところもあるようですが、わずか数分程度でも100円単位で金額がかかってくるので緊急時以外は現金での支払いは控えたほうが良いでしょう。

※ここに利用料金をそれぞれまとめた記事をリンクする

まとめ

最初に述べたように、電気自動車が今後急速に市場に出回っていくことが予想されています。

車というのは私達の現代社会において切っても切り離せないものでありながら、数百万円するものでもあるので、わずか数年で簡単に車種をコロコロと変えれるものでもありません。

中古車ならまだしも、一般的に新車を購入する場合は少なくても5年以上は乗る計算をするご家庭は多いのではないでしょうか?10年は乗りたいという考えをもっている方も少なくはないでしょう。

となれば、2030年代半ばまでに電気自動車の普及率を100%を目指すという政策が決定された今、次に車を購入する機会にはどのメーカーにおいてもすでにガソリン車の新車販売を終了してしまっている可能性もあります。

電気自動車を購入したのは良いものの、充電方法がわからない、どの充電スタンドを利用すればいいかわからないという状況に直面しないように、電気自動車や充電スタンドについての知識や教養を深めていきましょう。