【世界初】イギリスで新築される全ての住宅やオフィスにEV用の充電器の設置を義務づける法律を導入予定か

【世界初】イギリスで新築される全ての住宅やオフィスにEV用の充電器の設置を義務づける法律を導入予定か

2020年末にイギリス政府が発表した、ガソリン車とディーゼル車の新車販売を2030年までに禁止するとの声明は、EVに精通している方にとっては記憶に新しいと思います。

当初の目標では2040年までと長い期間をかけてゆったり普及をさせていく姿勢でしたが、2020年内に35年、30年と前倒しの意向を明確に発表してきたことは世界的なEV普及の起爆剤になった理由のひとつでもあるでしょう。

そんなイギリス政府がその実現に向けて世界初となる、新築住宅やオフィスに対して電気自動車用の充電器を義務づける法律を導入予定との情報をキャッチしました。今回はその内容を紹介していきます。

目次

イギリスのEV事情をおさらい

法律の内容の前に、イギリスがEVの充電スタンドや電気自動車の保有数を日本と比較しつつ、簡単におさらいしておきます。

イギリスの電気自動車の保有率は約7%程度となっており、世界的に見てそこまで抜けている数字でもありませんが、日本は1%にも満たないので、その差は歴然です。

保有率は多いのですが、充電スタンド数は14,000箇所しかなく、全国で20,000箇所程度存在している日本と比べると、少ない数となっています。ただ、日本がガソリンスタンド数のおよそ6割程度の普及に比べて、イギリスではすでにガソリンスタンド数を越えていますし、そもそも最大規格が3倍以上あるので、数は少ないですが効率は優れています。

また、急速充電器に関しては2023年までに高速道路のサービスエリア内に最低でも6台、大きいところでは10台以上の高出力充電器(150kW~350kW)を設置することを発表しているので、普及率の拡大に向けて、2020年以降はその足取りを早めている傾向にあります。

日本がイギリスに対して誇れる部分は充電器数の数だけであり、出力は最大50kWのものから何一つ変わっていないので、いかに遅れているかがわかるかと思います。

法律の具体的な内容

住宅に関してもオフィスに関しても、ただコンセントを差し込んで充電出来るような従来のモデルではなく、スマート充電デバイスを設置しなければなりません。その際、オフィスの場合は駐車スペース5台分につき、一つの割合で充電器を置く必要があります。

スマート充電デバイスというのは、簡単に言うとネットに繋がった充電器で、コンセントを挿しっぱなしにしていたとしても電力会社が送電網のバランスをとってリモートで充電してくれることに加えて、充電時間もコントロールしてくれるので、将来的に電気自動車が普及することによって発生する、過度な電圧の変化も柔軟に対応することが出来ます。

イギリスの住宅にはほとんどの場合でガレージや外に駐車する場所が存在していないので、この法律を制定することで今後建つ全ての住宅に車両の駐車スペースを設けることも出来るというわけです。

EVの普及に向けて最先端をひた走っていたイギリスですが、自宅に駐車場を設置していない住宅も多かったことから、いわゆる基礎充電の場所の確保が課題とされていましたが、これでいよいよ本格的に、急速に普及が進んでいくことでしょう。

この法律は2022年から施行される予定となっています。

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