急速充電スタンドの設置費用はどれくらい?維持費は?徹底解説!

急速充電スタンドの設置費用はどれくらい?維持費は?徹底解説!

2021年現在で、全国の急速充電スタンドの数はおよそ8,000基とされています。導入に補助金が出るようになって以降はその数は爆発的に伸び、2014年の11月から2016年の5月にかけて、わずか1年半ほどでそれまでの2000基から7000基にまで増えるなど、電気自動車のインフラ整備が順調に進んで来ました。

ところが、補助金が出ているにも関わらず、2016年から2020年の約4年間でたったの1,000基しか増えておらず、2020年度に限って言えば、充電スタンドを撤退させる場所も多数あったこともあって、年度間で初めて充電スタンドの数が減るという事態をも招いています。

電気自動車の普及率が未だに低い日本ですが、今後はメーカーも完全にEV販売のみに移行していくので、それに伴って急速充電スタンドの需要も確実に増えていくことでしょう。

そこで今回の記事では、急速充電スタンドの設置費用はいくらかかるのか、維持費はどれくらいかかるのかを徹底解説してみました。

目次

急速充電スタンドの性能をおさらい

急速充電スタンドは主に高速道路のサービスエリアやコンビニなど、滞在時間が短くなりがちな場所に設置されており、現在の仕様で言えばおよそ30分程度で80%の充電が出来る性能となっています。

緊急を要する場合で利用することよりも、充電時間を短縮するために利用されることが多く、長距離の移動であれば目的地までの中継地点での充電確保のため、必ず一箇所は立ち寄ることになります。

2021年現在でもバッテリーの状態について車両側と通信しながら充電することが出来る”CHAdeMO方式”が採用されており、最大規格の50kW以下のものが全国に設置されているというわけです。

このCHAdeMO方式の規格は当初から変わっておらず、言ってしまえば第1世代のモデルです。現在は最大規格の引き上げが検討されており、電気自動車も最大出力50kW以上の充電器に対応が出来るものも増えてきています。

急速充電スタンドの設置費用は?

急速充電スタンドの設置費用は?

急速充電スタンドは一般に出力の大きい機器では三相200V仕様が主となっており、設置するためには、電気工事が必須となっています。場所を取るものなので大掛かりな工事となり、仕様によっては莫大な金額が必要です。

以下は2021年現在で急速充電スタンドをいちから設置する場合の費用の概算となります。

  • 急速充電本体費用:76万~640万円(最多価格帯は200万~250万円)
  • 工事費用:250万~1,000万(設置場所によって大きく異なる)

最低でも330万円必要となり、より大掛かりな工事が必要となる場合や急速充電器本体のグレードを求めるなら楽に1,000万円を超えてしまうのです。しかもこれは1台を設置する場合の金額となります。

電気工事等に掛かる費用が大きいので、複数台置く場合は金額は抑えられますが、普通充電スタンドが数十万程度で収まることを考えれば、急速充電スタンドの数が普通充電スタンドと比べて少ないのは当然と言えます。

急速充電スタンドの維持費は?

充電スタンドは立てただけで終わりではありません。当然ながら充電のために利用されればその際の電気料金を支払わなければなりませんし、機械の整備や点検や保険などの維持費が必要となってきます。

年間のランニングコストはおよそ以下の通りとなっています。

  • 電気料金:40万~100万円
  • 整備等:30万円(メーカーにより異なる)

合計で最低でも70万円程度は必要になる計算となります。月額に換算すると6万円ちょっとの維持費がかかってきます。急速充電器の設置することでのメリットが、利用者から充電サービスの料金を徴収することくらいしかないので、利益をあげる目的で設置というのはなかなか現実的ではないでしょう。

ただし、これは補助金の利用をしなかった場合です。

補助金を利用すればいくらになる?

急速充電スタンドの設置にはご存知のとおり、国から次世代自動車充電インフラ整備促進事業という補助金が出ています。

この補助金は、本体費とその他設備、設置工事にかかる全ての費用から最大で2/3まで負担してくれるという破格のものとなっており、トヨタ、日産、ホンダ、三菱の4社に至っては追加支援を設けているので、それを受けることで残りの1/3に関しても補助が出る場合があります。

細かい条件はあるものの、うまくいけば設置費用を大幅に抑えることが出来ます。

また、維持費に関しても、急速充電器用の電力プランなども現在は様々なものが出ており、会社によっては年間で15万~30万程度の節約が可能なので、急速充電スタンドで利益を出すというのも電気自動車の所有率が増えていく今後は十分可能になっていくはずです。

まとめ

冒頭でも述べましたが、現在の急速充電スタンドの最大出力が50kWと制限されている状況では、これ以上爆発的にスタンド数が増えるということはありませんし、電気自動車の普及率が思ったほど増えてこない現状では、故障やメンテナンスに掛かる費用で赤字になってしまうスタンドもあるので、撤退する場所も増えているという事態を招いています。

海外では50kW以上の最大出力を持つものが当たり前になってきています。電気自動車の普及促進を考えているならば、急速充電スタンドの規格変更はマストです。急速充電スタンドを設置するならば規格変更で第二世代が登場してからの方が良いでしょう。

急速充電スタンドの設置や維持費にかかる費用は非常に高額ですが、上記のとおり補助金が出ているので、実際のコストはそこまで多くはないのです。

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